まずは知って欲しいこと

まずは知って欲しいこと

妊娠しやすい体作りの第一歩は良い卵子と子宮から

ご存知ですか? 女性は生まれた時点で、のちに育ってくる卵胞の元となる 原始卵胞を卵巣のなかに持って生まれ、その数も決められています。
幼い女の子の卵巣には、すでに約百万個も存在するそうです。
生まれたときは数百万個ある卵子が、思春期には30万個くらいにまで減り、 そこから毎月排卵してゆくので、卵子の在庫はもちろん減ってゆくのですが、 排卵のあるなしに関わらず、多くの卵胞が閉鎖卵胞になり消えてゆき、 年齢の影響を受け、卵子も老化してしまうのです。

(=加齢による不妊の一因)

だからこそ、育ってくる卵胞をより良い状態で成長させ、排卵にもってゆくこと、 そしてコンディションの良い子宮に受精卵を着床させること、 これが何よりも「妊娠しやすい体作り」のテーマです。

さぁ、今からは基礎体温を元に
「自分の体のことを知る」というテーマについてのお話です。
自分には何が不足しているのか?
どこがうまく行かない原因になっているのか?
東洋医学的な視点からも見てみましょう。

基礎体温について

基礎体温を計っていると、「なかなかきれいな二相にならずかえってイライラする」そんな声もよく聞かれます。

しかし、基礎体温がきれいに二相化しなくては妊娠できない、ということはありません。 ただ、基礎体温から得られる情報は、体の内なる声をよく反映します。 また、何よりもひと月に一回ある大事なチャンスを的確に示してくれる場合もあるので、毎日の習慣にしてみるのがおすすめです。

1.正常な基礎体温の波形

正常な基礎体温の波形は
■高温期が12〜14日ほど持続。
■高温期が37度近くまで上がり、低温期との差が0.3度以上あること。
■低温期から高温期に2〜3日で移行するのが理想

2.低温から高温期への移行が遅い、または高温期が短い

■低温期から高温期へは1〜2日で 上がるのが理想だが、数日かかって上がり排卵日がわからない。
■低温期が長く、高温期が短い(10日未満)
このパターンで分かることは、高温期にいっきに体温を上げる力が「冷え」などのため不足しているということが考えられます。東洋医学では血虚といい、血の不足により卵子の成熟が悪く、排卵が遅れ、その結果黄体ホルモンの分泌が悪くなります。西洋医学では黄体機能不全、軽度の排卵障害などが考えられます。プロラクチンというホルモンが高く排卵に障害が起きている可能性もあります。
体を温め、血や陽気を補う漢方薬の服用をおすすめします。

3.高温期が安定しない

■高温期を保ちきれず、途中で一時的に体温が低下する。
■排卵しているが、黄体機能不全で、妊娠しても流産しやすくなる。
黄体機能不全とは、黄体の機能が低下して、黄体を持続するホルモン(=妊娠を持続するホルモン)の血液中の濃度が下がること。高温期を持続するホルモンでもあるので、高温期を安定させるためには、体を温め、補陽する漢方や補腎薬を服用します。体の内が冷えていても自覚のない方もいます。日頃の食養生やゆっくりお風呂に浸かるなどの習慣がとても大切です。

4.体温の変動が激しくギザギザの波形

■基礎体温の変動が日々激しく、ギザギザの波形となる。
ストレスが多く、自律神経が不安定な方に多いタイプ。西洋医学では高プロラクチン血症、月経前緊張症候群、自律神経失調症などが考えられます。東洋医学ではストレスにより肝気の疎泄作用が乱れ、体温も不安定になっていると考え、肝気を整えてストレスを和らげる漢方の服用をおすすめします。

5.一相性で体温差が生じない

■基礎体温が一相性になる
無排卵月経の疑いがあります。西洋医学では卵巣機能不全、多嚢胞性卵巣、高プロラクチン血症などが考えられ、ピルや排卵誘発剤などの治療になります。東洋医学ではホルモンの流れを整える漢方薬や、脳下垂体からのホルモン分泌を良くする漢方の服用をおすすめします。補腎薬が効果的な場合もあります。
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