食養生について

日本人には日本の風土にあった食のスタイルがある
食養生について

あなたが口にするものがあなたを作る

「何を食べれば良いのですか?」
店頭でよく聞かれる言葉ですが、特殊な食材や高価な食べ物を食べなくても、自然で安全な食材を、普通に調理して食べれば良いのです。
(ただ、このシンプルなことが困難な時代になりました)
肉も魚も野菜もバランスよく、トランス脂肪酸を極力少なく、発酵食品をたっぷりと。和食中心で食べるのが理想的です。

とはいえ、仕事を持つ女性が増えた昨今は、簡単に出来合いもので済ませたり、コンビニ弁当、レトルト食品の利用も多いようで(添加物が多く、ミネラルが少なすぎます)、「安全な食材」を調理して、「バランス良く食べる」というのは、誰しもが簡単に出来ることではないのかもしれません。
今は飽食の時代です。「カロリーを取る」ことよりも「過剰な栄養」(砂糖、トランス脂肪酸)を控え、逆に不足しがちなビタミンやミネラルを、たっぷり摂りましょう。

脾胃(胃腸の消化・吸収)に負担をかけてはいけない 〜 漢方的食養生の大原則 〜

今度は漢方的な食養生のお話です。
脾胃というのは、食物の消化吸収を担う胃や腸の働きのことを言います。「脾胃は気血生化の源」という言葉があり、普段から食べ過ぎ、過食、深夜の食事、をしていると、体を巡る「血」や「気」の流れが悪くなってしまうのです。
また、食べたものから得たエネルギーのことを「後天の精」と呼び、この後天の精の働きがしっかりしていれば、子宮や卵巣、ほか各臓器すべてが元気になるのです。
まさに、胃腸はかなめ。妊活中は、食べ過ぎは控え、腹八分目を心がけてくださいね。
また、男性も同じです!男性のメタボは精子の質を悪化させるという学会発表が多数あります。
では、今から具体的にどういうものを積極的に食べればいいのか、また、なるべく控えめにしてほしい食品など下記に挙げます。

抗酸化作用のある食品を食べよう!

卵子も精子も体内の活性酸素が増えると、精子では運動率の低下を引き起こしたり、DNAの損傷を受け、受精能力にも影響を及ぼすことが知られています。卵子も酸化を防ぐことがとても大事なことなのです。
食物では、抗酸化作用のある緑黄色野菜や果物(トマトのリコピン、ゴボウの皮やベリー類のポリフェノール、鮭のアスタキサンチン、など色素系)、アーモンド、ヒマワリの種などに含まれるビタミンE、などを意識して摂るのも良いでしょう。サプリメントでは、黒ブドウの種子に含まれるプロアントシアニジンという色素(ビタミンEの2400倍という強い抗酸化作用を持つ)が含まれたものを当店ではおすすめしています。

積極的に食べてほしいもの

●大豆食品

大豆は畑の肉とも呼ばれる純良なタンパク質ですが、大豆に含まれるイソフラボンは弱いエストロゲンのような働きがあるので、女性にはおすすめの食品です。納豆、みそ汁(吸収の良いアグリコン型でイソフラボンが摂取できるので毎日飲みましょう)、豆腐豆乳、などです。

●主食はできれば玄米や雑穀入りのご飯で

特に玄米(消化があまり良くないので、発芽玄米がおすすめ)には、現代人に不足しがちなミネラルと食物繊維がとても豊富に含まれています。ビタミンB群や亜鉛なども含まれ、お通じをつけるにももってこいです。野菜が不足しがちな人こそ積極的に食べましょう。

●青い背の魚、小魚は丸ごと食べる

あじやイワシなどの青背の魚には、EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸がたっぷり含まれ、血液をさらさらにしたり、アレルギーを改善する働きがあると言われます。
このEPA,DHAをはじめ、エゴマ油やアマニ油に含まれるような油(不飽和脂肪酸)をオメガ3脂肪酸と言います。

※東京大学医学部産婦人科の研究チームは、遺伝子操作でオメガ3脂肪酸を豊富に合成するようにしたマウスと普通のマウスに子宮内膜症の病変を移植し、1週間から4週間後の子宮内膜症の病変の状態を比較しました。その結果、オメガ3脂肪酸を豊富に合成するようにしたマウスは普通のマウスに比べて、子宮内膜症の新たな発生数が少なく、また、病変の縮小、退縮が確認されました。
このことからオメガ3脂肪酸の摂取は子宮内膜症の予防と治療につながる可能性があるとしています。
2011年09月22日 日本産科婦人科学会誌 VOL.63(2)P705 より抜粋

●黒い色の素材

腎精についての詳しい説明はこちら
黒い色の食べ物は、生殖をつさどる「腎」の働きを高め、精をつけます。具体的には、山芋、しいたけ、くるみ、栗、こんぶ、きくらげ、黒豆、あわび、しいたけ、うなぎ、黒ゴマなどがそれにあたります。特にそれにこだわらずバランス良く食べればよいです。

控えめにしてほしいもの

砂糖の摂りすぎを控えましょう

砂糖は酸性食品のうえ、陰性度が高いので、摂りすぎると体を冷やし血液を汚します。
「お菓子は食べていない」という方も、知らず知らずのうちに、缶コーヒーや炭酸ジュースの摂取で砂糖を摂りすぎていませんか?
これらはとても多くの砂糖を含むため、血糖値を上昇させ、インシュリンを過剰に上げることになります。過剰なインシュリンは卵巣に作用して、アンドロゲン(男性ホルモン)の産生を促すため、多嚢胞性卵巣の原因となり、排卵障害を起こす可能性も。
また、肥満になると、身体の酸化が進んだり、ホルモンの分泌も悪くなるので甘いものの摂りすぎには気をつけましょう。

冷たいもの、体を冷やす果物も控えめに

体を冷やす「陰性」の食材や果物は、食べ過ぎに気をつけましょう。
特に「水毒体質」といって、むくみや冷え、アレルギー、鼻炎、めまいなどの疾患を持つ方は、冷えた食べ物を口にすることによって、ますます体の代謝を落としてしまい、病気を悪化させてしまいます。
体の冷え=子宮の冷え(子宮にもエネルギーを送りにくくする)と考えましょう。

加工食品など添加物の多く含まれる食品

加工食品やコンビニ弁当など、脂質、炭水化物に偏る栄養素(ビタミン、ミネラル、繊維質が不足)なうえ、保存料や着色料、そしてミネラルの吸収を阻害するリン酸塩などを含むものも多く、おすすめできません。また、アステルパームやアセスルファムKなどの人工甘味料も安全性がいまだはっきりしていないので避けてください。

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