PCOS (多嚢胞性卵巣症候群)について
子宝相談の流れ
最近ご相談が増えています! もしあなたが、月経が始まった頃から月経周期が不安定だったり排卵しにくいことや 無月経で悩んでいたらあるいは月経の周期が長いことや時々起こる不正出血で悩んでいたなら、もしかしたら、多嚢胞性卵巣とよばれるタイプなのかもしれません。 ただ、そのことだけで多嚢胞性卵巣と判断するのはまだ早いのです。エコー検査で、複数個の比較的小さな卵胞が見られたり(多嚢胞)採血で下垂体ホルモンのLHが高めの傾向にあったりアンドロゲン(男性ホルモン値)が高めだったり そのことにより、月経周期が長くなったり、無排卵が起こっていたり、 という条件が重なってくると、ますます多嚢胞性卵巣という状態の可能性が高いと思われます。

主席卵胞がなかなか育ってくれない!!

普通は月経開始数日後から、複数個の卵胞のなかからひとつ、主席卵胞と呼ばれる卵胞がリードして成長を始めるのですが、多嚢胞性卵巣の場合、この主席卵胞がなかなか育ってくれません。そのことによって、排卵できない未熟な卵胞が卵胞のなかに残ってしまうのです。 ではもっと具体的に、多嚢胞性のタイプの方達はどんなことで悩み、どんなことが妊娠の妨げになっているのでしょうか?

多嚢胞性卵巣はからなず排卵障害を伴うものなの?

多嚢胞性卵巣のかたでも、その状態はほんとうに個人差があります。 自力で正常周期の範囲内で排卵→月経がくるかたもいれば、排卵までに数十日かかるけど排卵するかたもいます。 また、自力ではなかなか排卵できないけど、クロミッド(排卵誘発剤)の服用で排卵するかたもいれば、卵胞を刺激する注射を打っても卵胞が成長せず、排卵にいたらないという厳しい状態のかたもおられ、ひとくちに多嚢胞性卵巣といっても、排卵状況や卵胞の成長過程はさまざまと言えます。 そして、PCOSと診断されても、排卵があれば自然妊娠ももちろん可能です!

糖尿病の薬がどうして処方されるの?

インシュリン抵抗性について。 排卵障害を伴うPCOの症状に「メトホルミン」(「グリコラン」とか「メトグリコ」という名前のお薬)が処方されることがあります。 PCOのかたは、一般的に「インシュリン抵抗性」と言って、炭水化物や甘いものを摂取したときに、血糖値を下げようとして膵臓から分泌されるインシュリンの効き目があまり良くないという状況が見られることが多いようです。そうなると二次的に、卵胞から発育するエストロゲンの産生ができず、卵胞の成熟が妨げされてしまうのです。 では、このメトホルミンという、お薬は血液中の糖(血糖)が筋肉や脂肪組織に取り込まれ、インシュリンの助けをするようなお薬が処方されるというわけです。 でも、糖尿病ではないのに、このお薬を服用するのは多少抵抗があることと思います。 そんなときは、自分の体にあったファスティング(その方法はお店で詳しく案内しています)や、プチ断食、低GI食品の摂取、炭水化物を控える、などの食養生をお伝えしています。

どうして不妊のリスクになるの??

多嚢胞性卵巣のかたの場合、排卵までに時間を要すことも多く、生理周期が長くなりがちなので、 自然妊娠をのぞむ場合→ 排卵日の予測がしにくい! 体外受精での治療の場合 → 卵胞が成熟しにくく、時に注射を打ってタマゴを育てようとしても、なかなか卵胞がスムーズに育ってくれないということも起きやすいようです。

これって生理?少量だらだらと続く出血の正体は?

排卵して高温期になり、内膜が剥がれて出血があるのが正しい月経。 多嚢胞性卵胞の女性でたびたび見受けられるのは、排卵が起こらず(よって黄体ホルモンは作られません)分泌したエストロゲンだけでは内膜を維持することができず、ちょっとづつ出血が漏れ出してくる状態が「破綻(はたん)出血」という状態です。 これが不正出血となる原因です。

どうしたら多能性卵巣を改善できるの?!

もともと生まれ持った体質や要素があるので、完全に克服することは難しいかもれません。 でも(ここからが大事です!) その生まれ持った要素に加え、甘いものやスナック菓子などを好んで食べる習慣や、ストレスや間違った食事の摂りや睡眠の不規則がさらなる悪化を招きます。 少しでも改善につながるようなポイントをご相談にはお伝えしています。 また漢方薬やサプリメントが手助けにもなることも多いのです。 もし、排卵しにくい、卵胞が育ちにくい、月経周期が長い、多嚢胞性卵巣と言われた、というかたは一度自分の体質や日頃の習慣を見直すためにもご相談ください。 今できることを考えましょう。
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