漢方薬局の片隅で

日々の子宝カウンセリングのなかで「心が動いたこと」「伝えたいこと」を中心にアップ。
タマゴのち天使

妊娠と炎症について

2017年09月10日
テーマ:生殖医療 , 研修会

今日は大阪。

昨年発足されたばかりの統合医療生殖学会での研修会に参加してきました

 

冒頭にDr.ショウキ先生のお話しのなかで

まず、子宮、卵巣の「炎症」についての講義がありました。

 

スライドは子宮内視鏡による炎症所見を解説しておられます。

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どんなに良いタマゴが作られていても、

子宮内膜炎などによって

子宮内の環境が整っていなかったら、

炎症」があったら、

着床につながらない。

 

それは子宮の内膜だけでなく、

卵巣や卵管の「炎症」も同じことがいえるということ。

 

もう少し、具体的に言うと、

 

卵管の炎症で、水腫があったら

水が内膜のなかに流入してきて、

受精卵の着床を妨げているかもしれない。

 

ものすごい勢いで増加している

梅毒」も性病感染の一種ですが、

これも、腹膜や卵管などに炎症を起こし、

不妊の原因になっている。

 

内膜症も「炎症」のひとつとして捉えることもできる。

 

 

この「炎症」というキーワード。

じつは、私も最近、よくカウンセリング中にお話しすることです。

 

 

妊娠と炎症の関係、もっと考えていかなくては、と思った1日でした。

 

そして、酸化を防ぎ、

炎症を和らげるのが得意な漢方の紹介、

もっと深くお話しする必要がある!そう思いました。

 

 

先週の土曜日、

41歳のAさん。

県外の生殖医療専門病院にて

体外受精、1回目の採卵、1回目の移植にて着床反応が出ました

まずはお電話でお知らせを受けのですが、

40代でこれはすごいことです。

 

このかたは、AMHが良好、

たくさんのタマゴが採れ、

複数個の良好胚盤胞に到達し、凍結できた。

ということは、資質的にも素晴らしいのですが、

もうひとつ、

せっかく良好胚盤胞があるのなら!

と、移植前に、

内膜の状態を内視鏡にて検査を行いました。

そこで、複数個のポリープが見つかったのです。

 

急がば回れ、ではないですが、ポリープを摘出し、

その後移植にのぞみました

 

良好胚だけでなく、そんな丁寧さも

もしかしたら今回の着床につながっているのかもしれません。

 

いまはただ、来週、無事に胎嚢が見えることを祈るのみです。

 

 

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